3周目

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《3・鹿園寺琴子》 「さて、そろそろ行こうかしら。」 鹿園寺は仕事を終え、第一図書館を後にした。廊下には誰も居らずカツカツと鹿園寺の靴音が鳴り響く。しかし前方から別の靴音が聴こえてきた。 「やぁ、鹿園寺。もう帰るのかい。」そう話し掛けてきたのは、図書委員の生徒たちを総括する責任者としての司書、桜崎だ。 「あら桜崎先生こんにちは、今から第二図書館に行こうと思いまして。」と鹿園寺は答える。「そうか、気を付けろよ。」そう言って桜崎と別れた。『気を付けろ?、どう言うことかしら…。』鹿園寺の頭の中では桜崎の気にしつつ第二図書館へ向かった。 「…着いたわね。」鹿園寺は第二図書館のドアの前に居た。ドアに手を掛けようした途端、図書室から物音や声が聴こえてきた。「……!」、「……?」 「気を付けろって、まさか…。長居はしない方が良さそうね。」鹿園寺は少しの恐怖を感じ第二図書館を後にしてしまった。
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