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「益田君、これ……受け取って?」 2月14日。 それは、チョコレート会社の策略によって、女の子が踊らされてしまう日。 そして俺は……その内のいくつかのチョコを、女の子から受け取ってしまう日。 この子で丁度10人目。 出来れば……これ以上増えないで欲しいと思う俺は、贅沢者なんだろう。 けど、甘い物が苦手な俺にとって、10個ものチョコレートは、凶悪な存在でしかない訳で……。 「うん。有難う」 それでも、姉ちゃん達が『貰える物は全部貰ってきなさい!』って――昨日、念押しで言われたんだよな。 姉ちゃん達に逆らえない俺は、これを受け取らざるおえない……。 「益田君、有難う」 あぁ……ゴメンナサイ。 嬉しそうに微笑まれても、俺は一口位が限界です。 後は姉ちゃん行きです。スイマセン。 心の中で何度か懺悔をして、去ってく女の子の後姿を見守った。 同時に、これで女の子から受け取る甘い凶器は、最後になって欲しいと、心から願いながら……。
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