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和葉side
もう、美里ったらなんで勝手に決めちゃうのよ。
よりにもよってあんなやつと同じ班なんてありえないわ。
あ、初めまして、和波和葉です。
「和葉ちゃん、班決めすぐに決まってよかったね!」
と満面の笑みで私に言ってくる美里。
ほんと、この子ってやること全てに悪気がないから怒れないのよね。
「そうね、でもあいつと組んだことだけが唯一の最悪な点よ。」
「和葉ちゃんはどうしてそんなに大林くんのこと嫌いなの?入学式の日にぶつかっただけなんでしょ?」
そう。
ただ入学式の日にぶつかっただけ。
私自身もなんでこんなにあいつのことがムカつくのかわからない。
「わからないのよ。
内心あいつのこと別に嫌いなわけじゃないしね。
ただあいつの前に行くと何よりも先に文句が出ちゃうのよね。
なんなのかしら?」
私が言うと美里が、むふふと気持ち悪い声で笑い出した。
「ありゃりゃー、和葉ちゃん、それはずばり恋なのでは?むふふ。」
私があいつに恋?
「いやいや、そんなわけないじゃない。
確かにあいつは顔はかっこいいし基本的にはいいやつだと思うけどなんで恋なのよ?
見当もつかないわ。」
第一出会って間もないのにそんなことあるはずがない。
「ふーん。まぁ和葉ちゃんがそう言うならこれ以上は言わないよ?でもね?時には素直な気持ちも大事なんだよ?」
美里がなにを言いたいのかさっぱりわからないわ。
まぁとりあえず今更なにを言ったって班が変わるわけじゃないしどうでもいいか。
そんなことを考えながら美里と2人で帰路に着いた。
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