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そんな口論をしているといつの間にか授業の時間になっていたので各々自分の席に戻り授業の支度を始めた。
あ、ちなみに俺は真面目に授業受けたからな?
これでも頭いい方やから。
そして時は流れ昼休み。
「おーい、利昂ー、昼飯食おうぜー。」
優希がそうやって声を掛けてきたのでそれに従い二人揃って屋上へと向かった。
屋上に着くなり弁当を広げたら優希が俺の弁当を見て
「ん?利昂の弁当おいしそうだな。お母さんが作ったのか?」
「ちゃうちゃう、俺一人暮らしやからこれ作ったん俺やで。
自己紹介でも言うてた通り料理が趣味やからな。」
そう言うなり優希が目を輝かして
「そうなのか!なんかひとつ食べさせてくれよ!」
まぁ断る理由もないので出汁巻きをひとつ優希に分けてやった。
「……………」
「え?なに?無言ってめっちゃ怖いねんけど!そんなにまずかった?」
優希は俺が言うなりいきなりバッと顔をあげて
「これ本当に利昂が作ったのか?うちの姉貴が作るより断然うまいぞ!」
お、おぉう、そこまで褒められるとめっちゃはずいな。
「ふむ、私のやつよりおいしいとな?是非とも私にもひとつわけてくれないか?」
いきなり横から声がした。
この声、朝にきいた声?
「あ、姉貴!なんでここにいるんだよ!びっくりしたぁ。」
「そんなに驚くことか?お姉ちゃんがどこにいようが勝手だろう?それよりも君、出汁巻きをひとつ食べさせてくれないか?」
姉貴?
優希のお姉ちゃんか。
「あ、はい、どうぞ。」
あーん
「って!なにしてるんですか!優希のお姉さん!」
「いや、食べさせてくれないかと言ったじゃないか。だから口を開けて待っているのだが?なにかおかしいか?ん?」
いや、まぁおかしくはないけどさ。
えぇい!ままよ!
あーん
ぱくっ
「おぉー、これは……確かにおいしいな。是非ともレシピを教えて欲しいものだ。」
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