鬼上司の下で働くことになりまして。

場違いなオフィス

そして更に、働いている人たちの若さに驚く。

平均年齢は三十代くらい。

女の人はほとんどが二十代に見える。

しかも美人が多い！もしかしたら三十代の人もたくさんいるのかもしれないけど、見た目は皆二十代だ。

服装も皆オシャレで、短いスカートの人やハイヒールの人、服装の色も鮮やかで自由な社風だということが分かる。

髪の毛だって明るいし、派手なネイルをしている人も多い。

　男性は二十代の人は少ない印象。

大体三十代か四十代くらいで、半分がスーツ、残り半分は私服だ。

普通にジーパンを履きながら仕事していて、私語が飛び交い和気あいあいと仲が
良さそうな様子が見て取れた。

　……凄いところに来てしまった。

全身黒のリクルートスーツに身を包んだ、服だけでなく顔も地味な私は、明らかに浮いている。

　今すぐ踵を返して帰りたい。

私の居場所はここじゃない。

おじいちゃんおばあちゃんに囲まれた古くて小さなオフィスが私の居場所だ。

　こんなリア充全開の面子の中で、一体何ができるっていうんだ。

学校のクラスで例えるなら、可愛い子や面白い子たちが集まった、ピラミッドの頂点に君臨するグループの中に、突然放り込まれた気分だ。

私はピラミッドでいうと下の方で、目立たず地味に生きてきた。