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やたらキラキラオーラを放っているあのグループの中に入りたいと思ったことなんてない。
だって、自分とは人種が違うとさえ思っていたくらいなのだから。
出勤初日、わずか数分の間にもう辞めたいと思った。
さて、どうやって逃げ出そうかと考えていると、眼鏡で細長い体躯のお兄さんが私の存在に気付き笑顔で駆け寄ってきた。
推定年齢三十代前半の、人の好さそうな雰囲気をまとっているこの方は、人事の吉田さん。
転職の手続きをする際、お世話になった人だ。
吉田さんは係長なんだけど、以前「吉田係長」って呼んだら、エルニカは役職名で呼び合ったりはしないことを教えてくれた。
社長にもさん付けらしいから、自由な社風を売りにしているんだなぁと思う。
知っている人に会えてほっとした気持ちと、逃げる機会を失った焦りが入り混じる。
やっぱり無理です、なんて言ったら、この人の好さそうなどっちかというと地味で私寄りの吉田さんは、どんな顔するんだろうなぁ。
地味で私寄り、なんて失礼なことを思われているとは知らない吉田さんは、オフィスを案内してくれた。
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