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まったく、何が起きたってんだ。
事故?もしかして妄想みたいに線路歩くのかな?
うわっ、面倒くさっ!
妄想みたいなことが起きたらいくらでも歩くけど、ありえるはずがないことが分かってるから面倒以外のなにものでもない。
すると、アナウンスが流れて信号機トラブルの影響で急ブレーキをかけたとのことだった。
そして電車はゆっくりと動き、駅のホームまで無事着くことができた。
ああ、良かった、と思ったのも束の間、信号機が直るまでこれ以上先には進めないとのことで振り替え輸送を勧めるアナウンスが流れた。
マジかぁ。どうしよう、ここからだと会社まではバスかタクシーを使わないと辿り着かない。
いっそのこと信号機が直って電車が動き出すまで待とうかな。
とりあえず動かない電車に乗っていても仕方ないので、他の乗客たちと一緒に電車を降りた。
チラリとスーツ王子の動向を窺う。
スーツ王子はきっと、タクシーを使って会社に行くんだろうな。
いつも、この次の駅で降りてるし、きっとお金持ちだから、私みたいにタクシー代をケチりたいなんて発想生まれないんだろうな。
さようなら、スーツ王子。
目の保養を今日もありがとう。
ほら、早くしないとタクシー乗り場混んじゃうよ。
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