誰も知らない救世主

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 二〇一三年二月半ばのことだった。  子供の頃の友達から、おれのもとへと突然電話が掛かってきた。  話すのは十数年ぶりだっただろうか。  彼は小学生の時は仲が良かったが中学から転校してしまい、次第に交流もなくなっていった友人だった。 「覚えてるか? いよいよ明日だぞ、世界を救うのは」  戸惑うおれに、挨拶もそこそこにあいつはそんなことを言ってきた。  全く意味不明だったので説明を求めると、こんなことを話した。 「子供の頃、明日隕石が落ちてくることを教えられたじゃないか。ぼくたちはそれから世界を救う力が与えられただろ、別な隕石に乗って反対側から迎え撃つんだ! でないとあの隕石に宿るものに地球は破壊されちまうからな!!」
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