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私は、複雑な気持ちになる。
「その気もないのに、二人で遊ぶってなくない?思わせぶりだとか思わない?」
彼女のため息が聞こえる。
「なにため息ついてんだよ!」
見えていないのに、彼女が今どんな顔をしているのか想像がつくのは、なぜだろう。
私もため息をつく。
このままだと、この話は一向に終わる気配がない。
私は、気をつけをして胸に手を置き、深呼吸をする。
そして、ドアを開けた。
中にいた3人の目が一斉に私に向く。
わかっていたとしても、どきりとする。
「あれ?ごめん、なんか話してた?」
と、とぼけた口調であははと笑う。
すると、二人は苦い顔をして、何も言わず私の横を通り過ぎていく。
彼女の方に目線をやると、がっちりと合う。
彼女は、気まづそうに目線を外す。
それに、別段触れることなく、私は定位置に座る。
今日も相変わらず利用者が少ないな、なんて思ってると、横から小声で話しかけられる。
「どこから聞いてたの?」
どこからって聞かれても、と思いながら、困っていると、彼女が大きなため息をはく。
「もういい」
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