10話 私と彼女

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そういうと、呆れたように携帯をいじり出した。 なんて言えばよかったと言うのだ。 私も心の中でため息をはく。 図書室は、いつまでも静寂を保っていた。 そして、ゆっくりと目を瞑る。 一瞬、デジャビュかと思った。 肩をたたかれている。 はっとすると、そこにはあかりではなく、彼女がいた。 「起きた?もう時間よ」 と彼女が言った。 「ごめん!」 と、私は立ち上がり、返却本の箱に手を伸ばす。しかし、空を切る。 「やっといたわ」 私は、申し訳ない気持ちが押し寄せてくる。 「ごめん!」 とまた謝る。 何をしているのだ私。 「いいよ、なんか疲れてるみたいだし」 と、言って、彼女はカバンを肩にかけ、踵を返そうとする。 そこで、私は腕を掴んだ。 「なに?」 と、彼女は純粋に驚いた顔をしていた。 「さっきの話なんだけど、けっこう前から聞いてた。これもごめん」 と、また私は謝る。 「別にいいわよ、そんなの」 と、彼女は、気にしてないと、装っているようだった。 そこに、私はまた言葉を落とす。
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