392人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんで、なんでそんなこと言うの?意味わかんないよ、私が悪いの?ゆいだって、怜と遊びに行ったじゃない」
私は、大きなため息をはく。
「今日は、ありがとう、お疲れ様」
と、私は言って、床に置いていたカバンを取って、彼女の横を通り過ぎようとする。
そこで、彼女は私の腕を掴んだかと思うと、抱きしめてきた。
心臓が跳ねる。
「ちょ、なに?」
すると、今にも消えそうな声で彼女はこう言った。
「ごめんなさい。怒らないで」
と。
「わかったから、離して」
と、私は焦りながら言う。
しかし、一向に腕が緩まる様子なく、更に強くなる。
心底、困った。
「真綾?」
「わかったんだったら、抱きしめて、私のこと」
と言う言葉が返ってくる。
思考がショートする寸前だった。
「真綾?」
と、もう一度言う。
「お願い」
しかし、私はもう一度言う。
「真綾?」
彼女の腕が強くなる。
「お願い!」
私はしばらく経ってから、彼女に腕を回す。
頭の中が真っ白になる。
しかし、目の前に広がるのは、燃えるような図書室だった。
最初のコメントを投稿しよう!