10話 私と彼女

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「なんで、なんでそんなこと言うの?意味わかんないよ、私が悪いの?ゆいだって、怜と遊びに行ったじゃない」 私は、大きなため息をはく。 「今日は、ありがとう、お疲れ様」 と、私は言って、床に置いていたカバンを取って、彼女の横を通り過ぎようとする。 そこで、彼女は私の腕を掴んだかと思うと、抱きしめてきた。 心臓が跳ねる。 「ちょ、なに?」 すると、今にも消えそうな声で彼女はこう言った。 「ごめんなさい。怒らないで」 と。 「わかったから、離して」 と、私は焦りながら言う。 しかし、一向に腕が緩まる様子なく、更に強くなる。 心底、困った。 「真綾?」 「わかったんだったら、抱きしめて、私のこと」 と言う言葉が返ってくる。 思考がショートする寸前だった。 「真綾?」 と、もう一度言う。 「お願い」 しかし、私はもう一度言う。 「真綾?」 彼女の腕が強くなる。 「お願い!」 私はしばらく経ってから、彼女に腕を回す。 頭の中が真っ白になる。 しかし、目の前に広がるのは、燃えるような図書室だった。
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