11話 美術室

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「ゆい!」 という呼ぶ声と同時に扉の開く音がする。 合田くんと一緒にそちらを向くと、肩を上下に動かす琴音の姿があった。 「なんで、そんなに疲れてるの?」 と、私はとっさに聞いてしまう。 琴音がこちらに歩きながら、口を開く。 「なんか、掃除終わったと思ったら、担任に呼び止められて、こっちが早く帰らせてくださいオーラ出してるのに、全然気づいてくれなくてさー」 と、言ったところで、これは話が長くなりそうだと判断した。 私は、わざと話している最中に口を挟む。 「あー!それは大変だったね!それで、なんか私に用があったんじゃない?」 と、琴音に目で訴える。 すると、はっとした顔をした。 隣で合田くんが楽しそうに見ている。 「そうだった、そうだった。こんな話してる場合じゃなかった」 と、言って、こっちこっちと、手招きされる。 言われるがままついていくと、そこには布がかかったキャンパスが置いてあった。
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