12話 ホームルーム

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「私は元々卓球志望だったから、よかったけど」 とにこっと笑う。 「将来の絵描きは、指には繊細だからね」 と、考え深く、眉間に皺を寄せて頷きながら言った。 それが、何ともおもしろくて、小さく吹き出す。 「なにがおかしいの?」 と、ふくれっ面の琴音に言われる。 「ごめん、ツボだったみたい」 と、手を合わせて謝罪する。 すると、いきなり琴音は手を挙げて起立した。 私は何事かと思う。 「琴音はシングルスね」 と、あかりは言って、紙に書く。 「これでシングルスも決まったから、次はダブルスね」 と、続けて言った。 嘘でしょ、と心の中で呟く。 着席した琴音が勝ち誇った顔で、こちらを向く。 「なに?」 と、私は言うと、琴音は「別に~」と、にやりと笑った。 「ここでまだ何も競技入ってない人とかっている?」 と、あかりは言った。 そこで、私はしぶしぶ手を挙げる。 「ゆいと川上さんね」 と、あかりはさらりと言って、私はぎょっとする。 「どうする?リレーに出るかダブルスしかないんだけど?」 と、言われ、走るのは正直自信がない。
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