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「私、卓球すごく下手だから」
私は、ゆっくり口を開いてから、大きく「あー」と、頷く。
「今、そんなこと?って思ったでしょ?」
と、睨まれる。
「いや、その、えーと」
と、いろいろ考えていると、その間に反論される。
「やっぱり図星じゃない」
「まあ、ちょっとはそう思ったかも」
と、曖昧に返しておいた。
彼女は納得していない顔をしたが、「まあいいわ」と、言った。
「ゆいに、組んで嫌だなって思われる前に、私からちゃんと言っておこうと思って」
と、今度は真剣な顔をした。
「そんなのいいのに。こちらこそ、足引っ張るかもしれないし、気にしなくていいよ、楽しくやろう」
と、応える。
「…そうね、わかったわ」
と、彼女は弱々しく微笑んだ。
なぜか心がモヤモヤした。
嫌な予感がした。
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