一章 1話 お姫様と私

1/2
前へ
/139ページ
次へ

一章 1話 お姫様と私

彼女と私が出会ったのは、高校二年生のクラス替えだった。 私は、窓際の後ろから3番目の席に座り、横目で辺りを見渡した。 教室内は、騒然とし、様々な言葉が投げ合われていた。 大抵は、一年生の時の同クラスや同じ中学校で、早くもグループが出来上がりつつあった。 その中には、場の空気に馴染めず、身を縮こませている人もいた。 そんな時、一人の女子生徒が、前のドアから入ってきた。 空気が静止した。 彼女の名前は、川上真綾。 同じクラスでも、同じ中学校でもなかったが、彼女のことは知っている。
/139ページ

最初のコメントを投稿しよう!

393人が本棚に入れています
本棚に追加