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彼女は、一年生の時から有名人だった。
かわいい、お姫様みたい、顔小さい、声かわいい、目が大きい。
という、誰もが食いつきそうな容姿の特徴から、裏腹。
性格悪い、男好き、態度が悪い、口悪い、ヤリマン。
という、本当かどうかわからない噂まで、出回るほど、目立った存在だった。
「川上っ!」と、静寂を破ったのは、後ろの席の和田拓真だった。
和田くんは、サッカー部のエースで、イケてるグループの代表みたいな人だ。
その声に気づいて、彼女はパッと明るくなった。
「なんだまた拓と同じクラスか」
と、呆れた感じで、和田くんに近づく。
「なんだとはなんだよ、うれしーくせに」と、二人の声だけがクラスに響いていた。
それからは、担任が入ってきて、異様な雰囲気のまま、ホームルームが始まり、このクラスの一年間が幕を上げた。
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