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と、私は合田くんに乗っかる。
「あら、そう?でも、女同士なんだから、ちょっとはあってもいいと思わない?」
と、やっぱり納得のいかない顔をしていた。
「そういうものなのよ」
と、彼女がもううんざり、という感じで口を動かす。
「友達も家に連れてこなければ、彼氏だって連れてこないのよ」
と、お母さんは言った。
それに、どきりとする。
私は、不意に彼女に視線を向ける。
彼女と一瞬目が合い、そして気まずそうにそらされる。
私は、少々後悔する。
今の私の視線は、まるで彼女を追い詰めているようだったかもしれない。
それからは、お昼をご馳走になり、一頻り楽しく会話をする。
すると、お母さんは、スッキリしたのか時計を気にした。
「お時間大丈夫かしら?」
私もそれに合わせて、時刻を確認する。
4時過ぎで、日が落ちてきた頃だった。
「僕は、もう帰らせてもらってもいいですか?」
と、先に合田くんが応える。
「今日は、父が早く帰ってくるので」
と、付け加える。
すると、お母さんは大きく頷いて、「お父様によろしくね」と、言った。
私には、その理由はさっぱりわからなかったが、あえて聞く必要もないかな、と思った。
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