9話 彼女の家

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と、私は合田くんに乗っかる。 「あら、そう?でも、女同士なんだから、ちょっとはあってもいいと思わない?」 と、やっぱり納得のいかない顔をしていた。 「そういうものなのよ」 と、彼女がもううんざり、という感じで口を動かす。 「友達も家に連れてこなければ、彼氏だって連れてこないのよ」 と、お母さんは言った。 それに、どきりとする。 私は、不意に彼女に視線を向ける。 彼女と一瞬目が合い、そして気まずそうにそらされる。 私は、少々後悔する。 今の私の視線は、まるで彼女を追い詰めているようだったかもしれない。 それからは、お昼をご馳走になり、一頻り楽しく会話をする。 すると、お母さんは、スッキリしたのか時計を気にした。 「お時間大丈夫かしら?」 私もそれに合わせて、時刻を確認する。 4時過ぎで、日が落ちてきた頃だった。 「僕は、もう帰らせてもらってもいいですか?」 と、先に合田くんが応える。 「今日は、父が早く帰ってくるので」 と、付け加える。 すると、お母さんは大きく頷いて、「お父様によろしくね」と、言った。 私には、その理由はさっぱりわからなかったが、あえて聞く必要もないかな、と思った。
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