9話 彼女の家

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「なら、私も帰ります。あまり、長居をしてもアレなので」 と、言った。 すると、お母さんはにこりと微笑む。 「そう、今日はとっても楽しかったわ、またいつでも来てね」 と、私をまっすぐ見つめた。 本当に、娘思いなのが伝わってくる。 「じゃあ、私は車を出してくるから、それまで休んでてちょうだい」 と、言ってから、お母さんは立ち上がる。 それに、慌てて「ありがとうございます」と、お礼を述べる。 それに、続いて合田くんも立ち上がる。 「僕は、歩いて帰ります。寄りたいところもあるので」 と、言った。 「今日は、ありがとうございました。付き合ってもらってしまって」 と、合田くんは申し訳なさそうに言う。 「ううん。とっても楽しかったわ」 と、私は応える。 「それなら、よかったです。では、また学校で」 と、合田くんはにこりと笑って、お母さんと一緒に出て行く。 リビングに残ったのは、私と彼女である。 しばらくの間がある。 「言ってないんだって思った?」 と、言ったのは彼女だ。 「何のこと?」 と、私は一度とぼける。
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