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「なら、私も帰ります。あまり、長居をしてもアレなので」
と、言った。
すると、お母さんはにこりと微笑む。
「そう、今日はとっても楽しかったわ、またいつでも来てね」
と、私をまっすぐ見つめた。
本当に、娘思いなのが伝わってくる。
「じゃあ、私は車を出してくるから、それまで休んでてちょうだい」
と、言ってから、お母さんは立ち上がる。
それに、慌てて「ありがとうございます」と、お礼を述べる。
それに、続いて合田くんも立ち上がる。
「僕は、歩いて帰ります。寄りたいところもあるので」
と、言った。
「今日は、ありがとうございました。付き合ってもらってしまって」
と、合田くんは申し訳なさそうに言う。
「ううん。とっても楽しかったわ」
と、私は応える。
「それなら、よかったです。では、また学校で」
と、合田くんはにこりと笑って、お母さんと一緒に出て行く。
リビングに残ったのは、私と彼女である。
しばらくの間がある。
「言ってないんだって思った?」
と、言ったのは彼女だ。
「何のこと?」
と、私は一度とぼける。
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