御家騒動

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種族の特性は当たり前だと思う。 だからって、人間じゃ無いからって理由だけで、差別をする意味が分からない。 そう言っただけなのに、気に入った!だもんね。 本当に、皆、変わってるよ。 まあ、つまりは僕は1人になっても生きて行けるってことなんだけどね。 黙った僕に、勝ち誇ったようにウブモ大臣は言った。 「ふん!少しは自分の置かれてる立場を理解したか!国の外に追い出されれば、たかが魔法使い如きが1人で生きて行けるはずも無いんだ!そうなら無いために、国の為に働くのは当たり前の事だ!それを放置して自分の用事だ?ふざけるな!」 う~ん。困ったな。早く戻りたいんだけど・・・・・・。 そんな事を思ってると、王が言った。 「ウブモ大臣!貴方は、そんな事を思っているのですか!フリーダム様は、この国には無くてはなら無い魔法使いで、本来ならば王位を彼に返還しなくてはなら無いと、説明したはずですが?」 王の言葉に、ウブモ大臣は、大きな声で怒鳴る。 「そんな事は認められるはずがありません!何を言われてるのですか!貴方には、王としての自覚がおありなのですか!この国を支えてきたのは王である貴方様なのですよ? お判りなのですか?それを差し置いて、こんな若造に国を任せるなど!貴方は国を滅ぼしてしまわれるおつもりですか!」 そう怒鳴るウブモ大臣。 はあ・・・・っと、大きな溜息をついて王は言った。 「ウブモ大臣は、理解出来ないようですね。フリーダム様は構いませんので、お戻りください。貴方でしたら、此処から飛べるでしょう?普通は出来ないようになって居ますがね」 そう言って少し楽しそうに笑う王の様子に、僕は苦笑すると頷いた。 「分かりました。では。また」 そう言って、僕は転移した。 ああ。僕の偽物はあの場所に、魔道具で魔法や力や色んな物を封じるようにしておいた。 その上で、拘束具をつけて動けなくして、自殺も出来ないようにしておいたから大丈夫だと思う。 僕は、授業の途中だったグラウンドに戻って来た。 その途端に大きな怒鳴り声響き渡る。 「何処に行ってた!エラール!しかも、許可無く転移だと?ふざけるな!」 そう怒鳴って来た魔法指導の先生。 僕は、あまりの大きな声に肩を竦めてしまった。 勿論。その時には、フリーダムのローブは色を変えて、普通の何時もの僕のローブになってる。 これは、魔力を流すだけで色を変えるんだ。
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