御家騒動

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僕はそのまま、先生の方に振り返る。 「どうやって、転移したんだ!大体、学園内は転移が出来ないようになってるはずだ!学園長から許可の腕輪を貰ってるのか!」 そう言って僕に近寄ってくる教師。 僕は、腕を捲って腕輪を見せた。 そう。それが、学園内での転移の許可証だ。 僕が腕輪を見せた事で、驚愕の表情をする先生。 「な!まさか!学生のお前が持ってるなど、学園長からは何も聞いていない!本当に許可を貰ってるのか!」 疑うような表情で僕を見る先生。 まあ。当然だよね。余程の実力者で無ければ、与える筈のない許可証だし、それに転移自体が中々出来る物じゃない。 先生の言葉に、僕に注目するクラスメート達。 嫌な目つきで見てる生徒が多いな。本当に厄介だよね。何で魔法使いになる為に他の生徒を蹴落とすんだろ。 協力して、皆で魔法使いになろうって出来ないのかな。 確かに、魔法使いは、貴重であまり数は居ないし、だからこそ、需要は多く魔法を行使出来れば収入は多い。 だから、魔法使いが増えれば収入が減るって考えてるって事かな? 収入は減っても、その分命懸けの仕事も減るんだし、良いと思うんだけどな。 僕は先生を見て言った。 「僕は、学園長の許可を貰っていますよ?時々、学園長の仕事のお手伝いで呼び出されるんです。転移が出来るようになったものですから、便利だって言われてですね」 僕の言葉に疑うような表情をする先生。 「そんな話は、聞いていない!それに、お前の魔力量で二回も転移が出来る筈がないだろ!どうやってるんだ!」 あ。しまったな。そっか。僕の魔力量って・・・普段は小さいんだっけ。さて。 僕は、ふう・・・・・っと息を吐いて言った。 「僕だって、努力はしています。魔力量だって、増えているんですよ?先生」 僕はそういって、負荷の腕輪を見せる。 先生は目を丸くして、それを見つめた。 「な!なんだ!その魔道具は!」 僕はその魔道具の魔石を撫でるようにして言った。 「これは・・・・。負荷の魔道具なんです」 「負荷・・・・・だと?」 僕は頷いて言った。 これには、程々の魔石が一つと、後は屑のような魔石を大量にオリハルコンと一緒に練りこんであるんだよね。 だから、見た目には、魔石が一つだけを埋め込んであるように見えるけど、全然違うんだ。
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