御家騒動

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「魔石が僕の魔力を吸い続けていて、ある程度は魔力を貯めますが、他は放出しているんです。だから、僕はずっと魔力を作り続けていないと倒れてしまうギリギリで、魔臓器に負荷を掛け続けてるんです。 ギリギリの量を見極めるのが大変だったと知人から言われましたが、上手く出来たと貰ったのがこの魔道具なんです。だから、僕は転移を二回までなら余裕で出来ますし、魔力量も確実に増えてますよ?先生」 僕の言葉に、目を丸くする先生。 魔道具の性能も分かるんだろうね。 「そ、そんな・・・・高性能な魔道具を・・・・・どうやって・・・」 手に入れたのかって事だよね?魔道具は、高価な物だから。 僕は頷いて言った。 「なんでも、僕の父に昔お世話になったからだって、言われましたよ?だから、恩返しに僕の力になりたいんだそうです。それと同時に、魔道具の実験っていうか工夫した物を試して欲しいとも言われまして・・・・・・・。それで、こうして調整の必要な魔道具を預かったんです」 僕は、見せた腕輪以外にも、反対側に着けた腕輪を見せた。 そっちは、魔力を蓄えるタイプ。少ない魔力量を誤魔化すには必要かなって思って作った。 空気中から魔素を集めて、魔力に変換する魔道具って作れるかなって思ったけど、危険だってガイに怒られた。 言われてみればそうだよね。そんな魔道具は危険でしか無い。 それに、結局魔法を使う為には自分の魔臓器に魔力を通して使うのだから、それに耐えられる魔臓器はあり得無いんだって。 いや・・・・・・僕は、それを出来てるよね?何故?って言ったら、お前は変なんだって言われた。 変ってなに!なんか、すごく失礼だし、馬鹿にされてるとしか思え無いんだけど? まあ。でも、そのおかげで僕は魔法を使い放題だし、普通に把握されてる魔法とは全く違う魔法を使えるって事が不思議なんだよね。 元々、魔法を知らずに自己流に使ってたからこその自由な発想が、魔法に繋がってるって。 そして、その調整力が変だって言われた。 ほんと、失礼だよね!ああ。ま。話が逸れたか・・・・・。 僕の説明に複雑な表情をする先生。 そして、僕の魔道具を見て、悔しそうに言う先生。 「確かに・・・・学園長の転移許可の魔道具ですが・・・・・。他の魔道具の魔力を利用しての転移でその許可なんて・・・・・前例が無いんですよね」
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