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その時、僕達が授業をしていた訓練場に人が転移して来た。
「何をしているのですか?訓練を中断して良いと許可は出てい無いはずですが!」
その言葉に、生徒達は、慌てて今までの場所に戻って魔法の訓練を続ける。
僕を睨みつけて怒鳴っていた先生は声に振り返って、驚きの表情になる。
「が、学園長!何故、此処に!」
先生の言葉に、振り返って僕達を見て笑顔になる学園長。
「ああ。そこにいたのですか?エラール君!先程は、本当にありがとう。おかげで助かりましたよ?」
あ。王様から連絡が、入ったのかな?
僕が返事をしようとすると、先生が言った。
「学園長!こんな物事の分からない生徒に何をさせているんですか!魔道具で転移の許可まで出して!つけあがらせるだけです!分からないんですか!」
その先生の言葉に、眉を寄せる学園長。
「生徒をつけあがらせる?どうしてそんな事を思うのですか?貴方は」
そう言って先生の方を学園長が見ると、得意そうに先生は言った。
「当然です!現にこの生徒は、許可もなく勝手に授業を抜け出して、さぼっていたんですよ?そんな勝手な事許されるはずが無いではないですか!」
先生の言葉に、複雑な表情になる学園長。
「いえ。すみませんね。私が呼び出したんですよ。直ぐに来なさいとね」
「え?学園長?」
驚いた声を出す先生に、笑顔で学園長は言った。
「ええ。そうです。私が彼を呼び出したんです。彼にどうしてもお願いしたい事が有りましてね。彼の魔力コントロールが素晴らしい事は貴方も承知してる筈ですよ?
彼程に、細かく緻密に魔力コントロールが出来る生徒を、私は知りませんからね?」
その言葉に、目を見開く先生。
「な!生徒でなくても、私達教員でも良いではないですか!いえ!教員の方がコントロールは優れている筈です!何故、学生程度にそんな事を!」
先生の言葉に、学園長は、首を振った。
「いいえ。残念ですが、彼は私が今迄に出会った者達の中でも群を抜いてコントロールが、上手なのですよ?そのぐらい分かるのでは有りませんか?」
学園長の言葉に、僕を睨みつけて先生は言った。
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