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条件反射って、怖いよね。僕が、ほっと胸をなでおろした時、学園長が先生に言った。
「貴方は、何を生徒に殺気など向けてるんですか!しかも、エラール君に!死にたいんですか!」
学園長の言葉に、僕は手で顔を覆い、先生は驚いた表情で学園長を見た。
「は?何を言われてるのですか?学園長は?」
学園長は、ほう・・・・・っと、息を吐いて言った。
「良く止めてくれましたね。エラール君。ありがとう」
そう言って微笑む学園長に、僕は複雑な表情になる。どういうつもりなんだろ。
学園長は先生を見て言った。
「貴方は、エラール君に殺気を向けました。殺されても文句は言えなかったのですよ?」
「え?」
驚いた表情で学園長を見る先生の様子に大きな溜息をついて学園長は、僕を見た。
「エラール君。先生にも見えるように隠蔽を、解きなさい」
僕は、頷いて周囲に隠して有った魔力球を30個程、見えるようにする。
その全てが、ナイフの形になっていて先生の周囲で止まって居た。
「ひ!」
悲鳴を上げて腰が抜けたかのように、地面にへたり込んだ先生。
僕は、指を鳴らす。
ナイフの形の魔力球は、元の丸い形に戻ると、僕の周囲に戻ってきた。
学園長は、嬉しそうに頷くと言った。
「本当に素晴らしいコントロールですね。感じさせないなんて、驚きですよ?」
僕は苦笑して言った。
「僕は、常に周囲にこうして展開を続けるようにしているんですよ。先生。常に魔力を使い続けてコントロールを続けて居ます。先程はすみませんでした。僕は、村に居た時は普通に狩りにも参加していたので、条件反射で攻撃の体制になってました。直ぐに止めたんですけどね」
「お、お前は、教師に攻撃をしようと・・・・したのか・・・「危険な殺人者とでも言うつもりですか?貴方が殺気を向けるからでしょう?違いますか!」・・・・・だが・・・」
先生の言葉に、被せるように学園長が言ったことで、不満な表情を学園長に向ける先生。
結局、ブツブツと言いながら、学園長の言葉に従っておさめてくれた先生だったけど。
これで、終わるよね?って思ったんだけど、あんな事が起きるなんて。
僕は、ゆっくり学園生活を楽しみたかったのに!どうすれば良いんだ?僕は・・・・。
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