御家騒動

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『ずっと、調べてた。前に捕まえた奴は傀儡だ。別の奴がいた。そいつはかなりの数の魔道具をばら撒いて配下を集めてたんだ。で、遂に行動を起こしやがった。王族が集まってる場所で親衛隊の一人が爆発しやがった』 僕はその言葉に青ざめる。マジで?それって、凄くまずいよね? 「で?」 僕の言葉に、ガイは顔を歪める。 『王と王妃は瀕死の重傷。唯一擦り傷の王子は人質。要求は、本来の王位継承者と自称する偽物のフリーダムへの王位継承。偽物である現在の王や一族は全ての私財を国へと返還して野に下る事だそうだ』 何?それ?本気なの?てか、僕の名前を騙ってる時点でおかしいよね?変だよね?本物が出てくるなんて思わ無いの?僕がそう思ってると、ガイがゆっくりと移動をし始めたから僕も続く。 『お前に知られる前に、全部の事を終わらせれれば良いと判断したんだろ。先ずは、隔離されてる王と王妃の治療をするぞ?お前のやり方なら助けられるだろ?リッキーと同じだ』 あ。そっか。僕がやった方法だね。僕は頷いてガイに続く。森で狩りをする時のように気配も魔力も漏らさ無いように、薄くして移動する。暫く移動すると、爆発の有った場所なんだろうね。酷く焼け焦げて崩れている場所に着いた。 『この奥だ。何人かが魔道具で操られて警備してる。俺様が撹乱して倒すから、お前が魔道具を封じて爆発を起こさせ無いようにして魔道具を破壊しろ。出来るな?』 僕は無言で頷いて、魔力球を発射する。それを追うように、ガイは飛び出して警戒している男達の前に飛び出して、撹乱させる。男達は直ぐにガイが使い魔と察したようで、倒そうとするが簡単にはいかない。 当然だ。ガイは唯の猫じゃ無い。ガイは次々に男達の意識を奪う。僕は同時に魔道具の破壊を済ませる。そして、最後の一人が倒れると同時に奥に向かって走り出してドアを開ける。中からは、強い血の匂いが溢れ出す。僕は一瞬で状況を把握して全員に魔法陣を展開して治療を行う。随分な量の魔力を一気に持って行かれた。全員の治療を集中して終えた時、僕は床に膝をついて肩で息をしていた。 「ふは・・・・・参った。凄いや。やっぱ、治療は魔力を持って行かれるね」 僕は周囲から魔力を集めて回復しながら言った。 『何を言ってるんだ。そうやって回復してるくせに。普通は無理だからな』 そう言って口元を釣り上げるように笑うガイ。
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