御家騒動

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僕は、周囲から魔力を掻き集めて行く。 「そうでもしないと、あの回復は無理だからね」 僕は、何とか立ち上がって室内に入ると浄化を掛ける。 部屋に有った血の匂いや色々な汚れは全て消えてしまった。 床の上に転がされている数人と、部屋の隅で震えている数人が居た。 俺は部屋の隅で震えてる数人に話かけた。 「大丈夫ですか?傷はもう治ってると思いますが・・・・・」 小さめの声で言うと、震えていた中の一人が言った。 「貴方は?一体?」 その時、僕の肩にガイが戻って来て言った。 『おい。此処はもう大丈夫だろ?結界張って置いとけ。急いで上に上がるぞ』 僕は苦笑して言った。 「ちょっと待って。唯、そのままにしても不安でしょう?」 『時間が無い』 「判ってる!でも待って!」 僕は振り返って彼等の方を見て言った。 「傷は治した。時間が無いから私は行きます。此処は結界を張って暫く封鎖します。このまま此処で待っていて下さい。全部が終われば、此処に人を寄越しますから待っていて下さい」 僕の言葉に、不安そうにその人は言った。 「貴方は誰?」 僕は、奥のトイレや風呂も一緒に、結界の中に封じながらボックスから食料を出して、テーブルの上に並べて置く。 「これで、数時間は大丈夫でしょう。待っていて下さいね」 そう言って僕は踵を返して部屋を出ると扉を閉めて完全に封鎖する。 僕かガイ以外は決して入れ無いし、開ける事も出来無い強力な結界だ。 僕は、直ぐに先導するガイの後を追った。 ガイは、構造を知ってるかのように、走っていく。 そして、奥まった場所に有る部屋の近くまで来て足を止める。 その先には何人もの人の気配が有ったからだ。 僕達は無言で頷き合った。 その時には、僕の魔力は完全に回復していたから、再び練り上げて行く。 勿論決して感知され無いように隠した魔力球を無数に展開して行く。 その上でそれらを、一斉に放つ。 魔力球は、その先に立っていた人達の間をすり抜ける様に移動して、先の部屋の扉の前に立って居た人達から順に魔力球で一気に覆って行く。 一瞬違和感を感じたのか、不安そうに周囲を見回す魔法使いでない人達。 中には数人魔法使いが混ざっていたのか、魔力を流石に包まれては異常を感じたか、驚いた表情で周囲を伺う様子を見せる。 でも、遅いよね。 僕は睡魔の魔法に一瞬で変換させてしまった。
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