御家騒動

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彼等の注意を引こうとしてたガイは呆れた表情で僕を振り返る。 『飽きれた奴だ。行くぞ』 僕は、バタバタと倒れて意識を失ってる彼等から、全部の魔道具を回収すると立ち上がって言った。 「判った」 直ぐに僕達は、目的の部屋の前に立っていた。 中では大きな怒声が響き聞こえてきた。 「まだ開けられ無いのか!お前も死にたいのか!」 ふむ。何かを開けようとしてる? 僕は、魔力球を部屋の中に滑り込ませる。 感知でき無いタイプなので、こういう時は非常に便利。 僕は、部屋の中の様子を調べる。 部屋は執務室って感じかな?奥に立派な執務机が有って、其処にイライラした様子で部屋の奥を睨んでる。 奥は本棚があるんだけど、その中央に大きな魔法陣が浮かんでる。 その前に数人の人達が慌てた様子で、集まってる。 そして、魔法陣をなんとかしようと、苦戦しているようだ。 どうやら、王族の色々な重要な書類や印鑑などが入った金庫のような物を開けようとしてる? ああ。そっか。最初の爆発で王と王妃の両方を重症にしてしまったから、開け方が分からないんだ。 そうか・・・・・・・まだ、小さな御子を連れてるようだけど、知らないよね。何も。 恐怖で固まってしまってる。可哀想だけど、もう少し我慢して貰おうか。 さて。部屋の中の様子は分かった。 僕は、ガイに全部を伝える。 仮とはいえ使い魔契約をしてるとこう言った時に意思の疎通が声を出さなくても出来るから便利だよね。 ガイは、少し考えるようにしてから言った。 『良いか?あの馬鹿な偽物に騙されて魔道具を着けられた愚か者の保護を最優先って所が腹ただしいが、止むを得ん。飛び込んだ瞬間に魔力球で包んで保護をしておけ。 さっきと同じように眠らせておけばいい。』 ガイの言葉に苦笑しつつ頷いて僕は言った。 「判った。中には、魔法使いは偽物の一人が一番強そうだね。他は、魔法陣の解析が得意な魔道具を作る魔法使用者みたいだよ。魔力は感じ取れると思うから、注意は必要だね」 僕の言葉に頷いてガイは言った。 『ああ。そうだな。魔法使いは一人だけだ。そいつは、俺様が抑え込む。魔獣を相手にする事を考えれば楽勝だ。あいつらは本気で厄介で面倒だからな。それから考えれば簡単だ。そうだろ?』 まあ、魔獣と比較する時点で何処か間違ってると思うのは僕だけじゃ無いよね? 本当に感覚が何処かずれてるんじゃ無い?って思うよ。
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