御家騒動

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ガイに乗せられた偽物は懸命に魔力を練り上げてガイに攻撃を加える。 周りが変化して居て、今まで居たはずの部屋でもなくなってる事すら気がついて無いね。 僕?僕は既に、魔道具の破壊を終えて床にへたり込んでる魔道具製作の製作者達に、回復を掛けていた。 あ。ちなみに、小さな御子は恐怖でとっくに気を失って居たからそのまま僕がローブに包むように抱き上げてる。 このローブって本当に肌触りも質も最高なんだよね。僕とガイとで作ったんだけどさ。 最高の出来だよ?これ。 「大丈夫ですか?もう、爆発の心配は有りませんから安心して下さいね」 僕の言葉に、泣きそうな表情で言う彼等。 「よ、良かったあ~~。もう、あのままだと開ける事を拒絶出来なくなりそうだったあ~~」 「ですよね~~。王家以外の者達が、保管庫を開ければどうなるか考えるだけでも恐ろしい!」 「知ら無いとは言わせないよ。有名だしね?君だって聞いた事位有るよね?」 「魔法使いのようだし、無いとは言わ無いよね?」 「それよりも、あの恐ろしいフリーダムは、やはり・・・・偽物?」 「さっきまで、そこに居たのに猫が飛び込んできたと思ったら消えたけど?何処に?」 口々に色々な事を言い始めた彼等に、僕は苦笑して言った。 「さっきの猫は私の使い魔ですよ。偽物のフリーダムは、私の使い魔と一緒に別の場所に居ます。もう直ぐ、戻ってくると・・・・・ああ。来ますね」 そう言った瞬間。 僕達から少し離れた床の上にグルグルに拘束されて、ボロボロの様子になってる僕と同じローブを羽織った人物が姿を現した。 その身体の上で毛繕いをするガイ。 「はは・・・・・・・。ボロボロですね」 僕が思わず言うとフン!っと言った様子で、ガイが言った。 『もう少し歯ごたえがあるかと思ったんだがな。腑抜けだ。こいつ』 いやいや。ガイの尺度で言うと大半の魔法使いは腑抜けだよね?本気でハードル高いからね? ガイは、もう一度、尻尾を叩きつけるようにしてから、僕に言った。 『さっさと、こいつをしまっておけ。戻るぞ?そろそろ意識が戻ってるだろ。報告して置く』 「あ。そうか。そうだね。分かった」 僕はそう言って、気を失ってる偽物を空間に入れると、彼等に言った。
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