バンビーナ

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雨よけで陰るガラス越しの君は 標本箱の蝶みたいに 退屈さ Ah... 飾っても控えめな睫毛の君は 褪せない蛍石のようで 不透明 アンティークな日常から やるせなく雪解けを待つ瞬間とか (はや)るばかりの心拍 零れ落ちそうでさ 「恋」だなんて呼べないような 心の内を悟らないで欲しい だけど少しだけ悟って欲しい 穢れを知った微笑みで 酔わせ続けてくれよバンビーナ Ah,バンビーナ 琥珀色に混ざっては溶ける君の声は 掠めとった五線譜(スコア)のごとく 曖昧さ シースルーな音を数えて どこで覚えたかも知らない誘い方 明けそうもない深夜に 星の名前を探して 「愛」だなんて成れないような 不明瞭さで汚してしまいたい だけど綺麗なままでいて欲しい 秘密を隠した残り香で 燻ぶる欲をなぞってよバンビーナ アンティークな日常から やるせなく雪解けを待つ瞬間とか (はや)るばかりの心拍 零れ落ちそうでさ 「好き」だなんていえないような 体温で隙間を埋めてくれよ 今に息が止まりそうな錯覚を 「恋」だなんて呼べないような 心の内を悟らないで欲しい だけど少しだけ悟って欲しい 穢れを知った微笑みで 酔わせ続けてくれよバンビーナ Ah,バンビーナ いつかこの指からすり抜けないように 欠けた甘い鎖で包むのさ
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