そこにいたもの。

真実。

「…俺は後悔した。もの凄く。だから、お前の分までしっかり生きようと頑張ってきた」

風雅がなりたがっていたIT関係の仕事に就き、俺は俺でやってみたかった社長にまで登り詰めた。

「…知ってるよ。陽が頑張ってきたこと、全部。ありがとう」
「お礼を言われることなんてしてないぜ。…ところで、風雅は今何やってんだ？」

そう、よく考えれば不思議だ。
突然姿を現して、俺のやってきたこと全部知ってるって言って…。

「僕？僕はね、ある企業の司令塔的な仕事をしてるよ」
「ある企業？どこだ？」
「それは教えられないなぁ…」

なんだそりゃ。
帰ったら調べてみるか。