DOGDAYS ~Glory of Bonus~

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         【プロローグ 1 】 空は曇り雨は、昼過ぎから降り始めた頃より勢いを増して降り落ちる。  地球とは異なる星、人々が自然と調和するフロニャルドの地にあるとビスコッティ共和国の代表領主居城・フィリアンノ城にも雨を降り注ぎ、晴天であればきれいな星空やにぎやかな城下町の住民達の楽しげの声が聞こえてくるが、皆振り落ちる雨に耳に貫く豪雷から隠れるように戸と窓を閉め家に籠もっている。  そしてとあるフィリアンヌ城のとある一室では国の代表領主と重臣達が重い空気に包まれた中、重要な会議をしていた。 「やはりガレット獅子団の兵士達は、ミリオン砦を攻めに来るようですね」  そう口を開いたのは、ビスコッティ騎士団の若き騎士団長 ロラン・マルティノッジ その風貌は逞しく勇ましいものだった。 「ガレットの連中、本気でここフィリアンノ城にまで進行すると考えたほうがよいでしょうか」  そう立ち上がったのが、同じく幼いながらその勇ましさは一等級のビスコッティ騎士団長親衛隊長を務める少女 エクレール・マルティノッジも、静かに言葉を発した。  輝歴2911年 珊瑚の月今現在、ビスコッティ共和国は隣国ガレット獅子団からの侵略を受けていた。  両国各地での激しいぶつかり合いがあったが〔戦無双〕で知られ強い実績をもつ強国ガレットの戦力にビスコッティは敗北を重ね、取られ続けたビスコッティの領地もほぼ首都だけとなりかけていた。  部屋内に静かに揺れる燭台の炎のみが灯りの薄暗い会議室の中、重臣達が一同に深刻の表情を浮かべながら国の一大事に対して憂いを語り合っていた。 「ガレット獅子団のレオンミシェリ閣下は、勇猛なお方ではあったが、かような無茶をされる方だったかのう」  長い白髪と立派な髭を蓄えた元老院の一人がそうつぶやくと、残る元老院もそれぞれ戦への不安を口にした。 「理由はどうであれ、ここ数戦はひたすら負け戦じゃ」 「野戦で押され、砦も突破され次の戦場 ミオン砦にも十分な兵力は配置でくるであろうし・・こまったのぉ・・こまったのぉ」 元老院がいう兵力の不足には理由があった。
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