poissn d' avril

2/9
前へ
/9ページ
次へ
柔らかな日が空気に溶け込み、 淡く眩しい道を歩いていく。 春、4月だ。 月の初めから良い天気で、 これから頭が痛くなる会議に向かうとはいえやはり気分がいい。 足取りも軽く会議室に向かう途中。 後ろからの同じ方へ向かう靴音が横を通り過ぎ、視界の端で金髪が揺れる。 青く無駄に華やかな軍服を一緒に揺らめかせながら。 …少しからかってやるか。 気分が良くなっていたせいか。 無視されたことより先にその意地悪い思惑が浮かんだもので、 それを引っさげて声をかける。 …が、そいつの反応は予想外だった。 緩やかに癖のついた金髪がふわっと揺れ、 振り向いたそいつが言い放つ。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加