広島鯉物語

追憶の日々

堀江家実家
荷造りを終え、庭で素振りをしている堀江。
ブンブン
ブンブン
回想1　堂島運輸営業所
会社で寝ている堀江をつつく堂島美雪。
｢堀江くん、堀江くん起きて｣
｢えっ!?｣
｢おい、勤務中だぞ｣
｢すいません｣
社長に頭を叩かれる堀江を苦笑する美雪。
｢もぉ～堀江くんったら｣
頭をかく堀江。
ブンブン
ブンブン
回想2　堂島運輸野球部グラウンド
カーーン
カーーン
カーーン
フリー打撃で場外弾を飛ばしまくる堀江。
｢おい、堀江、飛ばし過ぎだこれ以上ボールを無くしてどうする!!!｣
｢すいません、拾ってきます!!!｣
堀江は打撃練習を終え頭を下げるとダッシュで外野へと走りグラウンド外へ行く。
｢やべぇ、手加減できないんだよな～｣
グラウンド外の敷地に着くと美雪が球を拾い集めていた。
｢あっ、美雪ちゃん｣
｢はい、堀江くん拾っといたよ｣
｢ごめん、ありがとう！でも、どうして球拾いなんかして・・・｣
｢私、野球をしている堀江くんの不器用でひたむきに打ち込む姿が好きなんだ｣
優しく微笑む美雪
ブンブン
ブンブン
回想3 病室
白血病で入院している美雪
そこへ堀江が駆けつけてきた
「美雪ちゃん、やったよ！堂島運輸社会人野球で優勝したよ」
「本当!?」
「うん、これ、表彰状と決勝のHRボール」
「堀江くん」
「早く直してまた、練習見に来てよ！」
「うん！」
優しく微笑む美雪の手を取る堀江。
ブンブン
ブンブン
素振りを終え汗を拭う堀江。