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さつき「ねぇねぇ美香ちゃん。美香ちゃんはジョージ君のこと好きなのー?」
美香「うん!美香ね、おっきくなったらジョージくんと結婚するの」
さつき「いいなぁ!さつきもジョージくんと結婚するー」
美香「そうしよー。そしたらみんな仲良しだね!」
さつき「うん!ずーっと一緒がいいねー!」
15年前、毎日遊んでいた幼馴染の美香ちゃんとジョージくん。
ずっと3人でいたかった。
だから美香ちゃんと約束した。
20歳になる年の今日、あの公園にジョージくんが来てくれたら、2人で同時に告白する、と。
そしてジョージくんに来てくれるようお願いした。
美香「さつきちゃーん!」
先に着いていた美香ちゃんが手を振る。
さつき「約束覚えてたんだー」
美香「さつきちゃんこそ!それより…ジョージくん来るかなぁ…?」
さつき「さぁどうかなぁ?覚えてないかもね」
あははっと笑う美香ちゃん。
約束をジョージくんが覚えている保証はない。
なぜなら、この約束をした直後、彼は異国へと引っ越してしまったからだ。
来てくれますように…その時。
「2人とも、久しぶり」
あのジョージくんがすぐそばにいる…!!
サラサラな金髪の色白の青年は、そのまま大きくなっているのか…
鼓動がうるさくて、身動きが取れない。
美香ちゃんとせーので振り返る。
2人「せーのっ…!」
美香「ジョージくん、ずっと…好きでした!」
さつき「I love you ジョージ!!」
この日のために家で何度も練習してきた発音で、最高の告白を…
……ん?
誰も何も発しない。
静まり返る公園。
恐る恐る顔を上げると…
さつき「…えっ…誰…?」
目の前にいたのは和顔でこんがり肌の焼けた、スポーツマンタイプの青年。
あれ?人違いだったのかな?
美香「やばいやられたー!!英語で告白なんてカッコよすぎー!!」
右掌で自分のおでこをペチッと叩く美香ちゃん。
いや、それより一体…誰??
目を丸くしていると、ジョージくんが口を開いた。
ジョージ「いやー美香ちゃんはやっぱりみんなを喜ばせる天才だ!僕のこと覚えててくれたんだー」
いえ、知りませんが!!
っていうか日本語喋れたんだ?
金髪でもないし…
美香「えっ、美香ちゃんジョージくんだよ?村上城二くん」
む、村上??
10秒考えた。
結論。
(子供の頃の記憶は極めて曖昧で美化されやすい)
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