STAND UP

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キッカケは、TVを見ながらボソッと口にした当時の母の一言だった。 「羽生君って、本当に二十代なのかしら?」 TV画面に映し出されているのは、スケート選手の羽生結弦。 彼がインタビューに受け答えしているシーンだ。 「まだ若いのに、コメントがしっかりしてるわ~」 『そうだね』 適当に相づちを打つ。 「本当は五十代とかじゃないかしら」 『それはないと思う』 五十代て…マイマザー、本気かい? 「でもいいわね~私も何か歴史に名を残すような事したいわ」 『じゃあ今年からスケート始めれば?』 「この年齢で?」 は母は私を二十代後半で産み、現在私は高校生だ。 つまり、スポーツを始めるには少々キツイ。 (歴史に名を残すことかー) なんかないかなぁ、スポーツでもなく勉強でもなく、後世に語り継がれるようなもの。 …無いな。 (ま、真面目に生きるのが一番っていう事かね~?) とまあ、そんな感じでその時は終わったのだが…その後、私があんな事になるなんて、思ってもみなかった。 まさか私が__転生トリップをすることになるなんて。
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