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それから、五年。
二人は小学四年生になった。
「待ってよ、ミキちゃん」
前を走っていく黒いランドセルを、茶色のランドセルが追いかける。
「恥ずいからミキチャンって呼ぶなって、言ってるだろ」
黒のランドセルを背負った、すらりとした小麦色の手足をした半ズボンの少年が口を尖らせて振り返った。
「だって………ミキちゃんは、ミキちゃんだもん」
半べそになって後をついていくのは、大きな瞳に可愛らしい顔立ちは相変わらずだがミキと身長は同じくらいに伸びたシノだ。
茶色かった髪は黒々と変わり、癖っ毛も目立たない程度に変わっていた。
「昔はもっと優しかったのに」
「幼稚園の頃の話だろ」
「結婚しようって、言ってくれたのに」
「オマエなぁ………」
ミキは足を止めて、シノに向き直った。
「男同士は結婚できないの!」
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