第1章

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そして、更に月日が経ち、二人は高校生になった。 シノは顔はいいけど頭はからっきしだったので、俺が勉強を教えてやって、やっとこ同じ男子校に入れたんだが。 「ミキちゃんの馬鹿あああああっ」 いきなり殴る事はないと思う。 しかも連打って。どうよ? 「いってえな」 殴り返す気力も起こらない。 「ずっと一緒だって、約束したじゃないかっ」 「したよ」 「なんでミキちゃん今年も二年生なんだよっ」 「ちょっと休みすぎたから?」 「俺、先に卒業しちゃうじゃん!!」 泣きながら、胸ぐら掴んでんじゃねぇよ。 俺、吊りあげられて、足つま先だっちゃってるじゃねえか。 そう。 可愛くてクラスで最弱だったチビのシノノメは、今では2メートル近い巨漢に成長していた。 顔とスタイルだけは無駄に整っているが、県内でもガラの悪いので有名な南校で『最凶』の称号まで手に入れた。 「俺、もうオマエ守る必要なくね?」 「そんなの嫌だぁぁぁぁ」 抱きしめられて号泣された。 泣き虫なのだけは、変わらないみたいだ…………。                           FIN
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