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ガタガタ震えだす足がいうことをきかないので、僕は座ったまんまの格好で、後ろへ後ろへと、後ろ手に這うようにして距離を取ると、その……そこにあってはならない“顔”が呟いた。
「あと少しだったのに……」
恨めしそうな目で睨んだかと思えば、ピュッと姿を消した。
それが、僕が初めて経験した恐怖体験だ。
あの隙間に一体何があるのか?
一体何が住んでいるのか?
未だにわからないが、その一件から僕は隙間覗きが止められなくなってしまった。
あんな怖い目にあったらトラウマになって、隙間が怖くなるだろうって?
いやいやいや。
それがそうでもないんだよ。
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