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「いいか?動くなよ」
「お願いっ……首まで切らないで……」
「時間ねえんだ。バッサリいくぞ」
結局。
舞踏祭当日の朝になって。
僕を縛り付ける鎖の鍵が
見つからないことに業を煮やした可偉人は――。
「ダメだ。切れねえ。やっぱり錠の部分を壊す」
「ええっ……?!」
ホテルの工具室から
あれやこれや借りてきて。
「でもこれ、目玉が飛び出るほどのブルーダイヤだよ?」
「知るか!こいつでバチンだ」
お化けみたいなペンチを振り上げる。
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