第16章 僕の好きなこと

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「いいか?動くなよ」 「お願いっ……首まで切らないで……」 「時間ねえんだ。バッサリいくぞ」 結局。 舞踏祭当日の朝になって。 僕を縛り付ける鎖の鍵が 見つからないことに業を煮やした可偉人は――。 「ダメだ。切れねえ。やっぱり錠の部分を壊す」 「ええっ……?!」 ホテルの工具室から あれやこれや借りてきて。 「でもこれ、目玉が飛び出るほどのブルーダイヤだよ?」 「知るか!こいつでバチンだ」 お化けみたいなペンチを振り上げる。
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