恋人の時間

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 それから吾妻が気だるい身体をベッドの上に投げ出すように仰向けに寝転び、その上に俺は甘える様に上半身をのせる。 「何、甘えたい気分なの?」  そう言うと、嬉しそうに俺の髪を撫でる。 「うん。吾妻ともうちょっとこうしてたいかなって」  抱き合った後の余韻もある。だけど、それ以上に吾妻の肌が気持ち良いから。 「おまえ、またそんな可愛い事を」  と、顔を胸へと押し付けられて。俺は苦しいと腕を叩く。 「吾妻ッ」 「好きだ、優」  間近に顔を近づけて、吾妻がそう言って俺に微笑む。  あぁ、なんてキラキラしているんだろう。 「俺も、好きだよ」  勇人。  そう、名前で呼んでやれば、吾妻が不意打ちだと俺をベッドへと組み敷いた。  あ、照れてる。  目元が赤く染まっていて、俺はそんな吾妻を見ていたら胸がきゅんとなった。 「勇人を待たせた分、いっぱい愛させて」  いいでしょう? と頬を撫でて唇へと指を這わせれば、唇へとキスの返事が返ってくる。  それから俺達は再び体を重ね合って。腕の中へと抱かれなががら眠りに落ちた。 【恋人の時間・了】
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