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バス通学
かなりの田舎に住んでるため、学校にはバスで片道一時間半かけて通っている。
物凄く早起きしなきゃいけないから、正直、辛くて仕方がなかった。でも、今年の春からはその意識が変わった。
「まーくん、おはよー」
バス停に向かう途中、そう声をかけられた。
振り返ると、小走りで小さな賭けが寄って来る。幼馴染の有美だ。
歳は一つ下だから学校では先輩・後輩だけど、地元では昔のまま、俺を『まーくん』と呼んでくる。
「今日も早起きしんどかったー。学校、もっと近くならいいのに」
一年間、ずっと俺が思っていたことを有美が口にする。
確かに、バスで一時間半は遠すぎる。これが毎日は辛い。
でも、今は。
「あ、バス来た」
停留場にバスが停まると、すぐさま中に乗り込んでいく。そんな無邪気で可愛い相手と、一時間はん、一緒の空間にいられるのだから、
今は、長い長いバス通学様様だ。
バス通学…完
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