序章

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 今春、晴れて俺は高校へ進学が決まった。 進学先は超名門、欧州聖學堂学園高校。 通称“欧堂高(おうどうこう)”。 欧堂学園は、幼稚部から大学院まであるエスカレーター式の男子校だ。 俺はその高等部への外部入学者となる。 同じ敷地内に小学校から大学までの施設が混在しているため、広大な土地が必要だ。 そこで、理事長の所有する山をひとつ丸々開拓し、そこに学園を作ったらしい。 お陰で、学園の入り口まではふもとから車で3時間弱は掛かる。 そんなところに毎日、何千人の学生や関係者が通学・通勤できる筈もなく、中等部以上は全寮制になっている。 因みに、教員や事務員等も敷地内に寮が完備されているらしい。 何とも手厚い対応だと思ったが、それはやはり高額な収入のもとに成り立っているのだ。
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