ギャンブル

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大学? あー……楽しかったよ。 毎日殴られてたけどな。 イジメ?馬鹿言うな、そんな単語すらまかり通らねえ世界だよ。 試合に勝っても負けても、先輩は殴る。 その怒りを俺は対戦相手にぶつける。 ははは。面白いだろ? ある時から、先輩が俺ばかりを殴るようになった。 連勝してたんだけどな。 何が気に入らなかったのか。 俺はむしゃくしゃして、パチンコに益々のめり込んだ。 そんな時だよ。 893番のジイさんがその数字の人間に絡まれたのは。 俺は開店と同時にパチンコ屋に来て、ひたすらタバコを吸いながら銀色の玉を飛ばしてた。 ジイさんは少し遅れてきて、893番の台に座った。 しばらく普通に打ってたけど、途中ジイさんが便所に行った。 途中で席を外す時は、大概みんなライターを台に置いて「ここは人がいる」って印を付けるけど、ジイさんがいつもその台を使ってるのは周りの客も知っていたからジイさんが目印を置いていなくても気にしなかった。 そこへ、いかにもチンピラ風の男がやって来て玉が流れるレーンにライターを置いた。
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