冷血鬼教師

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車を走らせることおよそ10分。 ラジオから流れるBGMをバックに、私たちは目的地へ到着するまで一切喋らなかった。 「....こんな所で一人で住んでるんですか」 先生が尋ねてきたのも無理は無い。 周りには建物というのが殆ど無く、山にかなり近い場所に佇む、木造の小さな一軒家。 そこが私の家だ。 「ええ。まぁ、たまに遠縁のおばあちゃんが遊びに来たりしますけど....あ、ほら。今庭で水やりしているのが。この山を越えた所に住んでるんです」 「へぇ....」 「もうこんな時間.....ありがとうございました。お礼も兼ねてお茶でも出します。お金も返したいし....」 「いや、また今度でいいですよ。今日は無理しないでさっさと寝なさい。明日は休むこと、いいですね?」 また今度…意外だな、絶対「結構です」位言うかと思ったのに… 「はぁ…じゃあ、そうします」 なんだかなぁ… 「また失礼なこと考えてますね」 「う………」 何なの?!このヒト、サトリだ!妖怪だよ!! それから先生は車をUターンさせ、来た道を帰って行った。 車が見えなくなり、何となくホッとした 「こんな時間までどこ行ってたんだい!!!」 「お、お婆ちゃん...」 この後、お婆ちゃんによって、こっぴどく説教をされてしまいました。
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