冷血鬼教師

4/7
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
 本当、あの先生のどこがいいのか分からない。 人を見下した目つきで、何考えてるか分からないし、たまに変な行動をとるし、変人だし、怒ると不動明王がバックに立ってるし.... そんな、ちょっとミステリアスなのに惹かれるのかな? 校門を出て、十字路を左に、階段のある、山が見える方向へ歩く。 「どーでもいいや」 すでに辺りは暗くなっていて、街灯が道を照らしていた。 家までは少し遠い....急がないと 小走りで階段を下ろうとした時、 「うわっ」 何か柔らかいようなヌメッとしたような物を踏んでしまい、階段を踏み外した。 その拍子に足を挫いてしまい、バランスを崩して転げ落ちてしまった。 「いっ......たぁ」 いろんな所を打ち付けてかなり痛かったが、 血が出ていないだけましだ。 まだ長袖でよかった 階段を見上げ、異物の正体を確認する。 「何でバナナ?!」 潰された無惨な格好をしたバナナだった。 本当、ありえない。 起き上がろうとしたら足首が異常に痛む。 とてもじゃないが、歩けそうにない。 やられた 家までは30分以上歩かないといけない上、坂道が沢山ある。 携帯は、運悪く家に忘れてきてしまったし、この道を通る人は殆どいない うわー....最悪。 こんな所に、こんな時間帯に通るのは変質者くらいだ。 嫌だよー、まだ死にたくない どうしようかと、途方にくれていいると、 「高野さん....?」 聞き覚えのある声が自分名前を呼んだ さっき散々愚痴を言ってはいないけど、思っていた。あんまり好きじゃない教師、三毛河先生が階段の上に立っていた。 「先生....!」 この際どうでもいい。見つけてくれたこと感謝しよう。流石担任だ。例え胡散臭くても、変質者っぽくても、見直してあげるからお願い見捨てないで助けて下さいアーメン!! 「....心の声がだだ漏れですけど」 「うそ。...................ごめんなさい」
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!