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本当、あの先生のどこがいいのか分からない。
人を見下した目つきで、何考えてるか分からないし、たまに変な行動をとるし、変人だし、怒ると不動明王がバックに立ってるし....
そんな、ちょっとミステリアスなのに惹かれるのかな?
校門を出て、十字路を左に、階段のある、山が見える方向へ歩く。
「どーでもいいや」
すでに辺りは暗くなっていて、街灯が道を照らしていた。
家までは少し遠い....急がないと
小走りで階段を下ろうとした時、
「うわっ」
何か柔らかいようなヌメッとしたような物を踏んでしまい、階段を踏み外した。
その拍子に足を挫いてしまい、バランスを崩して転げ落ちてしまった。
「いっ......たぁ」
いろんな所を打ち付けてかなり痛かったが、
血が出ていないだけましだ。
まだ長袖でよかった
階段を見上げ、異物の正体を確認する。
「何でバナナ?!」
潰された無惨な格好をしたバナナだった。
本当、ありえない。
起き上がろうとしたら足首が異常に痛む。
とてもじゃないが、歩けそうにない。
やられた
家までは30分以上歩かないといけない上、坂道が沢山ある。
携帯は、運悪く家に忘れてきてしまったし、この道を通る人は殆どいない
うわー....最悪。
こんな所に、こんな時間帯に通るのは変質者くらいだ。
嫌だよー、まだ死にたくない
どうしようかと、途方にくれていいると、
「高野さん....?」
聞き覚えのある声が自分名前を呼んだ
さっき散々愚痴を言ってはいないけど、思っていた。あんまり好きじゃない教師、三毛河先生が階段の上に立っていた。
「先生....!」
この際どうでもいい。見つけてくれたこと感謝しよう。流石担任だ。例え胡散臭くても、変質者っぽくても、見直してあげるからお願い見捨てないで助けて下さいアーメン!!
「....心の声がだだ漏れですけど」
「うそ。...................ごめんなさい」
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