ワインとメッセージ

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「そうよねぇ。わかった!じゃあ、今度ヘルメット買ってくるから乗せてよね」 それで良いでしょ?そんな風にニッと笑う。鼻歌なんて歌いながら芝生の手入れを始める。 手伝おうか?そう言う僕を手の甲で追い払うみたいにするのだから、あまり色々聞かれたくないのだと思った。 無理に問い質す理由も僕には無い。僕は首を捻りながら部屋に戻る。 瑠衣さんがヘルメットを抱えて、僕の部屋をノックしたのは翌日の昼頃だった。 真新しく、艶々に光る真っ赤なヘルメット。 「さあ行くよ!公平くん」 「えっ?何処へ?」 「決めてないわよ。デートの行き先は、男の子が決めるモノでしょ?」 それから、僕は瑠衣さんに時々振り回される事になった。 まあ、彼女は少しだけ丸顔だけれど可愛くて、スタイルも良くて……わがままだけれど、僕を気に入ったみたいだ。
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