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なんと言うか、立ち姿が綺麗で……ぽかんとしている僕に、建物の正面まで歩いてきた彼女が手招きをする。
我に返り、バイクのスタンドを立て、芝生と白い敷石と、レトロなアパートと彼女の空間へ足を踏み入れる。
「こんにちは。学生課からの紹介で伺いました、沢村公平と言います」
小走りに駆け寄って告げる僕に、彼女がクスクスと笑う。
「聞いてるわよ。じゃあ、付いてきてくれるかな?」
やっぱり笑いながら、彼女がくるりと背中を向ける。
何だろうか?何だか妙な気分だ……何が、とは言えないのだけれど、妙なのだ。
少しの違和感を覚えるけれど、彼女の背中に従う。
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