プロローグ 

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 あの時を思い返すと、二見景子(ふたみけいこ)は胸をかきむしられる気分になる。  子供時代の記憶。  もう色彩も思い出せないセピア色の過去――例の特撮番組を見ていた時には、若い頃の父がいて母がいた。  温かい茶の間でのひととき。  当たり前にあった生活だ。  彼女にとって《電光仮面》とは、その中で楽しんだ他愛もない夢物語だった。
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