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携帯の画面に映っていたのは、一件のメッセージだった。
ホーム画面にうっすらと浮かぶそのメッセージは、不思議な感じがするものの、怖いという感じは全くなかった。
まるで、テレビゲームの画面が一瞬薄くなって、簡単なストーリーを説明するようなメッセージが流れるような、そんな感覚に似ている。
それは、一件の優しいメッセージだった。
『連日のメール攻撃、いかがでしたか。
辛かったことだと思います。
だけど、志穂は子供だから。
恋愛をすると同じことをしてしまうでしょう。
僕に対してしたことをまた繰り返してもいけない。
同じ経験をして、それがどれだけ辛いことか、分かってほしかった。
次出会う人とは、もっと幸せに、お互いに追い詰めないようにステキな恋愛をしてください。
もう住む世界は違うけど、幸せになれるように祈っています』
それを見て、恋人だった和樹のことを思い出した。
今まで、和樹のことを思い出しても泣けなかったのに、恨み言しかなかったのに。
今は涙しか、零れなかった。
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