sexual perversion

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「あ! あ、じゃあ、ほんとすぐ時間だし、着替えとかせずにソッコー出てきますから!!!」 頭の中がグルグルする。とにかく日比谷さんを引き留めておきたかった。 だからといって、告白するとか大それた事は考えてない。だって卒業する時、日比谷さんには恋人がいたと記憶していたからだ。 そうだ恋人。そこに思い至り、僕は遠慮がちに訊ねた。 「あの……この後、誰かと約束があるとか?」 その質問に、日比谷さんは少し寂しそうに笑うと、 「ううん、ホントに用事。てかただのバイト?」 そう答えた。もしかすると別れたのかも知れない。だからと言って、僕に万が一つのチャンスもないのは知っている。だって日比谷さんは、同性愛者として有名だったからだ。だから勿論、彼女の恋人も女性だ。ただ、日比谷さんはオープンだったが、その恋人はそれを隠していたのだろう。 恋人がいるからと、彼女がそれを手離しで喜んでいる姿を見た事はなかったし、恋人の話になっても時折、寂しそうな表情を見せていたからだ。 ただ噂で、相手は部内にいるとだけ聞いていた。
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