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僕は日比谷さんに、とにかくそこにいてくれるよう頼むと、執事姿の委員長を探して、すぐに交替させて貰うように頼み込んだ。本当は少し早かったが、このメイド姿の写メを撮らせて、男女逆転模擬喫茶のサブイベントである美男美女コンテストに応募する事を了承するのと引き替えに、OKを貰った。ただ、メイド服だけは使い回しなので、着替えを余儀なくされたが……。
急いで着替えて日比谷さんの元に戻る。
そんな僕の姿を、日比谷さんが笑いながら見ている。その瞳に僕は戸惑いを覚え、変なところがないか自分の姿を見直した。
「ギャップがすごく良いわね」
日比谷さんの言葉でハッとする。そうだ、着替えたけどウィッグと化粧はそのまま。だから今の僕は、女装してるのか男装してるのか、よく分からない状況になっているのだ。
僕はとにかく恥ずかしくて、日比谷さんを引っ張ってそこから離れた。
「ちょっと、痛いって」
日比谷さんの声に我に返ると、彼女は機嫌悪そうに、僕を睨んでいた。僕が掴んでいたところを擦っている。
「ご、ごめんなさい!」
僕は慌てた。きっと青ざめていただろう。でもその様子を見て、日比谷さんが笑い出した。
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